短い怪異談詰め合わせ②

じねん堂ではパーソナルトレーニングのインターバル中に怪異を語ることが多い。したがって、1~数分で終わる話が重宝する。

匂い系の実体験

 2019年の年末。何となく外が気になって玄関扉を開けたら、外から「化粧をしたお婆さん」の匂いがフワっと入ってきた。まるで、お婆さんが横をすり抜けていったよう。
 見回しても、道路に出ても人の姿は無い。残り香にしては不自然であるけれど、近所のお婆さんが回覧板か広報誌でも持ってきたのかもとポストを確認したが、やはり何も無かった。

M市の20代女性から聞いた話

 ある工場では中国人の従業員が何人か働いているのだが、なぜか揃いも揃って、夜勤の時は資材用のエレベーターに近づきたがらない。
 理由を尋ねると、口をそろえて「エレベーターの下から呼ぶ声が聞こえるから」と言う。
 日本人の従業員に聞こえた者はいない。その工場で亡くなった中国人もいない。

現地確認は怖いから、ストリートビューで確認する

 T市の某工場の横に2階建ての空き家がある。工場の駐車場から2階の窓が見えるのだが、時々室内に白い服を着た女性が立っているのだとか。
 この話を聞いた後、ストリートビューで件の空き家を確認した。2つある2階の窓のうち、左側がなんとなく怖く感じたので、後日、体験者に確認すると……。
 正解だった。

デジカメでありがちな心霊写真風の写真。

 撮影時、被写体の女児はじっとしていたそうだ。
 顔がブレたり体の一部が大きくゆがんだりした写真は、デジカメが普及するにつれ心霊写真として取りざたされることが多くなった印象だが、多くの場合は被写体の動きや機械の都合によるものだ。この写真に関して述べれば、仮に部屋が暗かったならシャッタースピードが遅くなるので、撮影ボタンを押した瞬間には被写体がじっとしていたとしても、実際にシャッターが閉じるまでの間に動いてしまえば、画像処理の関係でこのような写り方になる可能性は高い。
 とはいえ、気味が悪いことに変わりはない。

ニュースにもなった事故のその後

 カップルの乗った車が堤防を乗り越えて海岸に転落・炎上・焼死する事故があった。当時、男性は即死だったが女性は生きたまま焼かれたとか、社会人と女子高生の不倫カップルだったとか、様々な噂が立った。
 しばらくして、事故現場で「手をつないだ男女」が目撃されるようになった。

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