怪異談– category –
幽霊・お化けなどが登場する怪談話だけでなく、人が怖い話・社会的に怖い話・一部の人には怖く感じる話・不思議な話などもふくめて“怪異談”と捉え、掲載しています。
このカテゴリーのみ、本文を「だ・である調」で記述しています。
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怪異談
神山さんの怪異
松阪市と多気町の境目、櫛田川と祓川の分岐点近くにこんもりとした低山がある。神山(こうやま)だ。 山頂への道筋には聖徳太子が建立したと伝えられる古刹があり、一般的には山号を冠して神山一乗寺と呼ばれる。しかし地元の私たちにとっては中学校の遠足... -
怪異談
子供部屋
Kさんが結婚する前、A県の実家にお住まいだったころ。 小学校2年か3年のある時から、2階の自室にある机で勉強していると、お経のような音が聞こえてくるようになった。昼夜は問わないのだが、必ず机で勉強している時である。姉や母親にこのことを伝えても... -
怪異談
【解釈】マイマイとナイナイ【ネタバレ】
じねん堂の本棚は絵本を中心に、季節ごとのテーマを決めて模様替えしている。夏は毎年「怖い話」をテーマにしていて、岩崎書店の怪談えほんシリーズは外すことができない。 なかでも「マイマイとナイナイ」は異彩を放つ作品だ。 皆川博子が紡ぐ不条理な物... -
怪異談
隣人
20代の女性、Sさんが数年前に体験した話。 当時Sさんは接客を伴う飲食店でアルバイトをしていて、1DKのアパートに一暮らしだった。その日は腹痛などの体調不良を理由にアルバイトを休むつもりで、夕方までごろごろしていた。 “ピンポンピンポンピンポ... -
怪異談
警備員
Aさんが警備会社でアルバイトをしていたころ、同僚に40~50代くらいの女性(Bさん)がいた。特に癖が強いというわけでもない、普通のおばちゃんである。普通に出勤をしてきて、普通に仕事をして、普通に雑談もする。 そんなBさんが急に退職した。 アルバ... -
怪異談
フランス人形
今をさかのぼること20余年。私は京都の大学に通っていた。 京都と言っても、京都駅から山陰線で1時間半ほどかかる山間の町だ。間近に迫る山と生活道路の間を埋めるように田圃が広がり、初夏には小さな川で蛍が舞う。のどかな場所に私の通う大学はあった。 ... -
怪異談
神戸野外活動センターの怪異
しる人ぞ知る津市の心霊スポット、神戸野外活動センター。 「あそこはやばいよな~」 こういった話はよく聞くのだが、具体的に何が起こるかを言及する人には会ったことがない。あっても “異音” 程度だ。 ただいま、神戸(かんべ)の野外活動センター... -
怪異談
おみくじ
「先生って、神社でおみくじ引きます?」 ある日の午後、患者のAさんからこう尋ねられた。 実は私、神様系は少し怖くて、おみくじを引いたりお守りを買ったりはしない主義なのだ。 「いやあ、私は引かないですね。おみくじが、どうかしました?」 &... -
怪異談
お爺さんが横切るから…
ある夏の日のこと。 いわゆる“見える”JCであるAちゃんとこんな話をした。 勉強って、どこでしとるん? えー。ごはん食べるとこ。 あー、そうなんや。リビングちゃうんやな。やっぱり、テーブルの高さが丁度エエとか、テレビが気になるとかで? んー。リビ... -
怪異談
鳴く犬の伝承
ここのところ民話に興味があって、三重県のものを中心に読み漁っている。 そこで気づいたのが、意外に同じような話が全国に散らばっているということだ。京都で有名な「幽霊の子育て飴」は、三重県の桑名にもまったく同じような話があるし、「和尚と3人の...