さる12月1日(日)、鳥羽市相差町で開催された相差旅館組合主催の「相差ノルディックウォーキング」に、インストラクターとして参加しました。
前日までの寒さが嘘のようなポカポカ陽気の下、総勢60名ほど。市長、町長のあいさつあり、市の広報の取材ありと、大変な力の入れようで、年齢層も地元の高校生が多数参加するなどして比較的若かったのが印象的でした。
ほとんどのかたがノルディックウォーキングは初体験ということでしたので、3列に並んでいただき、ジャンジャン歩きながらレクチャー。
皆さん上達が早かったですね。さすがです。
レクチャーの後は、相差旅館組合のスタッフさん先導でノルディックウォーキングスタート。
先ずは美しい砂浜の「千鳥ヶ浜」沿い。堤防横の道を歩いて、岬を超える林道のような狭い道に入りました。
道幅は狭いですが、きれいに整備されてとても歩きやすかったです。
岬を超えると「白浜」。こちらは砂利浜でした。
ここも堤防沿いを歩いて、浜の南端が最初の目的地、「鯨岬」です。
岬への登り口で、ガイドからいくつかお話をいただきました。
この岬の名は、海から鯨に乗った観音様が現れた伝説に因んでいるとのこと。観音様は、岬から10キロほど西にある青峯山正福寺の本尊となっているようです。
「十一面観世音菩薩発祥之碑」と書かれた碑が立っていました。
碑の隣にはお地蔵さんが何体か海の方を向いて立っていました。これらは海で命を落とした海女を供養するためのもので、海女一人につき地蔵一体なのだとか。
また、海女以外に、海難事故で亡くなったかたを供養しているものもあるようです。そういえば、この場所に来るまでの道にも何体か海の方を向いてお地蔵さんが立っていました。
小休止の後、碑の横の階段を昇って、岬をぐるりと回る「鯨崎遊歩道」を進みました。
遊歩道沿いには皇子御神社跡(立て札には“おじこさん”とふりがな)や、八幡社跡、弁財天(通称べらいさん)を祀る祠などがあり、神聖な場所であった(ある)ことが窺われました。
遊歩道を来た道とは反対側に降り、相差漁港へ。
ちょうど漁が終わったところだったようで、そこかしこに魚を仕分け(?)ている姿が見受けられました。
相差では毎年7月14日に「くじら祭り」が行われています。
町内を練り歩く大小の“くじら神輿”が展示されていました。
何とも言えない表情です。
最後に向かったのは神明神社。
ここでは「鳥羽っこクラブ」の皆さんにより、神明神社のいわれや参拝方法についてのガイドがありました。
境内には神武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀る石神社があり、“女性の願いを必ず一つは叶えてくれる”といわれています。海女の豊漁祈願が叶ったことから変じて、“女性の願いが叶う”と言われるようになったとのこと。
縁結びにご利益があるといったガイドもありましたけど、待っているだけでは結ばれなさそうな雰囲気を感じました。ここはきっと、海女のようにガシガシ獲りにいくと、“誓い”を立てる場所なのでしょう。
助手1号は参拝のあと、御朱印をゲットしていました。
神明神社の拝殿の隣には薬師堂があり、十一面観音立像と薬師如来立像が安置されています。入口には「朝福寺」との表記もあり、神仏習合の名残がみられます。
ここでは、耳の病に悩まされることの多かった海女が、穴の開いた石を奉納して治癒を祈願したそうです。実際に奉納された石も、二つの立像の前に置かれていました。
神明神社で15分ほど過ごしたら、スタート/ゴール地点の千鳥ヶ浜へ。
スタート時より強くなった日差しに照らされて、砂浜と海がキラキラしていました。
ゴール後は、順次整理運動。閉会式を経て、解散となりました。
各自、海女小屋体験や入浴など楽しまれたのではないでしょうか。
今回歩いた5キロ弱の「ノーマルコース」は、地域の歴史や文化に触れられ、起伏も程よく、非常に楽しめるコースだったと思います。これも相差旅館組合の皆さんの運営あってこそです。ありがとうございました。
ウォーキングコースはこれから増設される予定とのこと。
鳥羽へ行く楽しみが増えましたね。