【第8回 NWフェスティバル】タイムトライアルにおけるウォーキングフォームについて

きたる3月22日(日)、津市美杉にて「第8回 ノルディックウォーキングフェスティバル」が開催されます。

津市森林セラピー基地「君ケ野ダム湖畔コース」を利用し、景色やのんびりとしたウォーキングを楽しむファン部門(4キロ)と、タイムトライアルとシェイプコンテストで総合順位を競うトライアル部門(7キロ)とで参加者を募集中なのですが……。

今回から、トライアル部門で次のようなルール変更が行われています。

  • ノルディックランニングの禁止
  • 推奨されるウォーキングフォームの明文化

ノルディックランニングが禁止になったのは個人的には残念です。とはいえ、奨励されるウォーキングフォームが明文化されたことは非常に喜ばしいと感じています。トライアル部門は順位を競いますから、ある程度のレベルの参加者が集まって欲しいわけです。個人的な意見です

本エントリーでは、競技規定に記載されている症例事項について簡単な解説を試みています。参考になりましたら幸いです。

目次

奨励されるウォーキングフォーム

「第8回 ノルディックウォーキングフェスティバル 競技規定」から、ウォーキングフォームに関係する部分を抜粋してお示しします。

4.競技におけるスポーツマンシップの順守について


イベント参加者、特にトライアルコースの参加者については、ノルディックウォーキングを通じて自己研鑽を行う者として、また広くスポーツを愛する者として、スポーツマンシップに則り反則行為などを行わないことを求める。
また、ノルディックウォーキング実施中は、以下の基本動作に注意しながらウォークすることを奨励する。

腕と脚は交互に自然な様態で動かす。

両方の足およびポールが同時に地面から離れない。

ポールは体側に沿って、前足つま先と後ろ足かかとの間に突くようにする。ただし、急斜面は例外とする。

身体を前進させるためにポールを積極的に押すことを心がける。その際、腕は伸展し、手は少なくとも体側の横までくるようにし、体側より後方へ腕を押し切ることが望ましい。

ポールを前方に突くとき、ポールを握っている先導の手は、体側を越えているようにする。

ポールを地面に突く際はポールを握り、ポールを後方へ押し切る際は手を開くようにする。また、このためにも専用グローブなどは適切な装着を行う。

簡単な解説

それでは、要点を抜き出して簡単に解説していきます。

公式見解でなく、あくまで私見ではありますが、今回、ウォーキングフォームに関するルールは私が中心となって発案・指導していますので、私見でありつつも公式なものに近いと考えていただいて差支えないかと存じます。

腕と脚は交互に自然な様態で

右手が前に出ている時には左脚が前に出ている。逆に左手が前に出ている時には右脚が前に出ている。このような状態が交互に繰り返されるものを“自然”であるとします。
右手と右脚が同時に出るような、いわゆるナンバ歩きはチェック対象になります

両方の足およびポールが同時に地面から離れない

両方の足が同時に地面から離れれば、走っているとみなされます
ポールはダブルポールではなく交互に使用してください。交互に使用しながらもポールが同時に地面から離れてしまうのは、走っているか効果的にポールで推進力を得ていないかであると判断されます。

(ポールは)前足つま先と後ろ足かかとの間に突く

体側で、前足つま先と後足かかとの範囲内に突くということです。
広い範囲で許容されていると言えます。ポールウォーキングのような2本杖様歩行でもクリアできる基準ですね。

身体を前進させるためにポールを積極的に押す

読んで字の如し。押しましょう。

腕は伸展し、手は少なくとも体側の横までくる

“腕の伸展”は、他の表現を使うなら、腕を後方へ振るとか引くとか、肩関節を伸展するとかです。肘を完全に伸ばした腕振りのことではありません
“手”は上肢ではなくて手首から先のこと。グローブやストラップを装着している部分です。
“体側の横”というは、胴体の横とか、腰の位置とかです。
スウィングでもプルでも2本杖でも、ここまでは押せると思います。
体側の横まで押すのは、INWA(JNFA)の10ステップにおいて以前なら“ヘルスレベル”と呼ばれた段階です。トライアル部門にエントリーするなら、少なくともこれ位のレベルには達していてほしいと感じます。

ポールを前方に突くとき、…先導の手は、体側を越えている

しっかり押せれば、前にも腕を振れるでしょう。
ここで引っかかる人はいないのではないかと存じます。いわゆる、基本です。

ポールを地面に突く際はポールを握り…押し切る際は手を開く

キャッチアンドリリースです。そもそも、握ったままでは腕(肘関節)を伸展して押し切ることが困難です。
このあたりの尺度で、肘を極端に曲げたまま腕をスウィングしたりプルしたり、2本杖式だったりする参加者が注意を受けることになりそうです。

スポーツマンシップに則り反則行為などを行わない

3.5キロで折り返すコース上の参加者1人ひとりを、最初から最後まで監視することは出来ません。どうしても審判員の目の届かないところが出てきます。

「誰も見てないから走ってしまえ!」

ではなく、公正な姿勢で競技に臨んでもらいたく存じます。

さいごに

いかがでしょうか。
あまりにも簡単で拍子抜けしたかたもしれません。

今回、ルールの厳格化(ランニングの禁止)をするにあたり、「INWA CONPETITION RULES 2019」を参考としました。私が、国際ノルディックウォーキング連盟(INWA)主催のワールドカップにおける審判資格、「INWA Nordic Walking Referee」を取得していることもあり、提案した次第です。
INWAのオフィシャルルールより簡略化され、要求されるフォームの基準も易しくなっていますので、普段からノルディックウォーキングを実践している方からすれば造作もないことと思います。走りでもしない限り失格にはなりません。万が一あったとしても注意を受ける程度でしょう。団体(NWを標榜しているもの)の違いによる有利・不利も無いと考えています。
これらのフォームが習得できていれば、美しくも歩けるはずです。タイムトライアル後のシェイプコンテストでも高得点が期待できますね。

では当日。現地でお会いしましょう。皆様が最高のパフォーマンスを発揮されるのを楽しみにしております。

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