【お灸】チベットのお香を棒灸に作り替えてみた

棒灸とは、艾(もぐさ)などを棒状に加工したお灸の一種で、先端に火をつけ、ツボに近づけて温めるなどして使います。

今回はそんな棒灸にまつわるお話。

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じねん堂の棒灸問題

 さて、何を隠そう私、艾(もぐさ)の煙が大の苦手。
 特に棒灸で使うような精製度の低い艾がダメで、施術中に煙を吸い込むと、頭痛がしたり吐き気をもよおしたりしてしまいます。また、煙(微粒子)を吸い込み続けることによって起こる健康被害も懸念しています。
 お灸の香りにはリラックス効果があるという意見もありますけれど、少なくとも私には、そのような効果は認められません。

精製度の高い艾を使った棒灸でも無理

 ですからじねん堂では、もぐさを使う種類のお灸はなるべく使わず、電気のお灸を使用しています。
 ここで “なるべく” と表現したのは、棒灸だけは代替できる刺激手段(非接触であることや刺激の伝わり方の再現)が無いから。やむを得ず、無煙棒灸という艾の炭で作られた棒灸を使用してきました。一応、煙が出なくて、においも少ないという代物なのですが……。

炭なので黒

 一般的な棒灸に比べればずっと少ないものの、全く煙が出ないわけではありません。加えてにおいも決して心地の良いものではないのです。質の悪い木炭にありがちな酸っぱくてツンとくる煙たさがあるのです。苦手な者にとってはJARO案件にしたいくらい。
 しかも最近、たまたま“はずれロット”を引いてしまったのか、最初から折れていたり、使用中に割れてしまったりといったトラブルが続発

反転すれば一目瞭然

 こんなクオリティの製品を、患者に使うことはできません。
 どうしたものかと考えた結果、一つの結論に至りました。

じねん堂

無いなら作れば良い!

 まあ、毎度のことです。

【艾について】
艾はヨモギの葉っぱを細かく砕いて作られます。
葉っぱの裏の白い毛(繊毛)だけになるまで精製されたものが最も高品質とされています。一般的に、施術者が指で小さく形を作って直接肌に置くタイプのお灸は、精製度の高い薄黄色の艾が使われ、棒灸には精製度の低い艾が使われています。精製度の低い艾には葉脈などが含まれ、上質なものと比べると繊維が粗く、硬く、色も茶色っぽくなっています。

作ってみた

 さて、棒灸をつくるのは良いですが、艾以外の材料といったって、大して思いつきません。私にできる事は、せいぜい市販の線香やお香を砕いて固め直すことくらいです。

  1. においが不快でなければ
  2. 煙が多いのは仕方がない
  3. できれば天然の香料で
  4. 何か薬効があればなおよし

 このような条件で探しみると、どうやら「チベット製のお香」が良さそう。
 件のお香、現地ではヒーリングを目的に焚かれているとのことですから、うまく完成すればいつもの施術にプラスアルファ(あるいは気休め程度)の効果が期待できるかもしれません。

 早速、御香堂さんで試供品セットを購入しました。

9種類を嗅ぎ比べ

 いくつか気に入ったものがあったのですが、1パッケージが割と多め。買っても棒灸として使用できなければ意味がないので、まずは少量で購入可能な“ヒーリングインセンス”を購入して試作してみることにしました。試作の模様は動画をご覧ください(音が出ます)。

 結果は大成功といえるのではないでしょうか。煙も思っていたより少なかったです。試作品1本を使い切って問題が無ければ、“本命”を購入してオリジナル棒灸の作成に取り掛かる予定です。

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