磁石も使えるホワイトボードつきの壁面収納家具を作る

じねん堂は初心者や故障者向けのパーソナルトレーニングジムであり、鍼灸院でもあります。
最近ありがたいことに鍼の予約が過密気味で、新規の予約をお断りしたり、既存の患者さんが思った時間に予約をとれなかったりすることも少なくありません。(昼間は割と空いているのですけれど、予約を希望される時間って結構重なるのです)
こういった事態を回避するために、時々トレーニングルームで鍼治療をしてきました。ベッドが無いので座って治療できる患者限定で。
ただ、治療をするとなるとトレーニングルームはけっこうごちゃごちゃしていて、なんだか落ち着かないのです。だからあまり積極的にご案内できない。
横になって治療する必要のあるかたもいらっしゃるので、出来ればベッドも置きたい。

ごちゃごちゃ
ですからトレーニングルームを整理整頓しようと思い立ったちました。
トレーニンググッズを放り込んでおける収納と、カルテや鍼灸用品を置く台。そして様々な告知事項を貼り付けたり絵を描いて説明したりできるホワイトボード…。
これら全てを兼ねる「壁面収納」を製作するのです。
圧迫感が無いよう、側板の必要がない“棚柱(ガチャ柱)”を使った棚で、かつ、壁に穴をあけない構造が理想です。
壁に穴をあけないといえば、最近流行のツーバイ材を使った突っ張り棒(柱?)収納ですね。ディアウォールとか。この方針で進めることにしました。
取り敢えず組み立て
早速近所のバローで諸々の材料を買ってきて、先ずはツーバイ材にラワン合板(厚さ12ミリ)を接着。

工房という名のトレーニングルーム
突っ張り固定には和気産業 ウォリスト(Walist)の白を使いました。何となく頑丈そうだったので…。

ジャッキにロマンを感じます
そして予定の位置に設置します。
塗装は立てた状態で行うつもり。
合板の裏表を間違えてしまったようですが、気にしない気にしない。

サイズはバッチリ
ボードの下に見えるのが、トレーニンググッズを収納する箱です。こちらは9ミリの合板でこしらえました。
磁石が引っ付く下地塗り
続いて、ホワイトボードに磁石がくっつくよう、鉄粉入りの塗料を塗っていきます。
今回は、ニッペ マグネティックプライマー 887MLを使いました。

鉄粉入りなのでずっしり
こいつが結構硬くて(粘度が高くて)塗りにくい。

塗りにくい!
ひと缶で 1.2~1.5㎡(3回塗り)と説明書きにあった通り、3回塗ったら使い切りました。
表面が結構荒れているのですが、ヤスリがけしてしまうと塗装が薄くなって磁石が引っ付きにくくなるかも知れないのでやめておきました。

黒板みたい
色塗り
30分ほどでマグネティックプライマーが乾燥しますので、水性塗料で色を付けていきます。
トレーニングルームの壁に合わせて黄色です。
“合わせて”と言いつつ、壁の色よりもかなり濃い黄色ですね。
マグネティックプライマーと違って、こちらは塗って・削っての2回塗り。
正直もう1回塗り重ねたい仕上がりですが、試しに磁石をつけてみたら、強力ネオジム磁石が普通の黒いフェライト磁石並みにしかくっつかないのでやめておきました。まだこの上にクリア塗料を塗らねばならないのです。

やっぱり普通のペンキは塗りやすい
箱も黄色く。
なんかもう、こっちは1回ペロッと塗って終わってしまいました。

手抜き
棚柱の固定
次に棚柱を固定します。
こちらはロイヤル社の「店舗内装用陳列金物 AA SYSTEM(AAシステム)」を使用しました。近所のバローに売っていたので。バロー最高!

素敵やん
棚柱は900ミリのもの。
衣料品店やコンビニの陳列棚のようにハンガー用のフックやバーを取り付けられる“角パイプ”は1200ミリ。これは工夫次第でいろいろ使えそう。
もちろん、木棚もあとから取り付けます。
クリア塗装
そしていよいよ、個人的に一番の楽しみであるクリア塗装に移ります。

同じメーカーで完結できるって素敵
マグネティックプライマーと同じメーカーのニッペ ドライイレーズ 473mlを使用しました。
こちらは2液になっていて、塗装の直前に混ぜ合わせて使います。
透明な液と黄味がかった灰色の液を混ぜると、木工用ボンドのような真っ白に変化します。

超ネバネバ
これがまた重い。
本当に乾きかけの木工用ボンドかというくらいネバネバです。
ローラーで塗るときの音もメチメチメチ…って。とても平らには塗れません。
取扱メーカー(ニッペホーム)の推奨通り、Smoosy 無泡・鉄部スモールローラーを使ってはみたものの、ローラーの繊維がプチプチ抜けて塗装に巻き込まれてしまう始末。薄めて使えば良かったのかな?
できるだけ指でボードに張り付いた繊維を取り除き、刷毛でもう一度塗ってなんとか体裁を整えました。

完成が予想できない
繊維も塗料も白なので、取り切れずに残ったところも結構ありますが、上から塗料が載っているので大丈夫でしょう。多分。
諸々の仕上げ
ドライイレーズは乾くとみごとに透明になりました。
表面を触ると取り切れなかった繊維がチクチクと掌に当たります。
3日置けばホワイトボードとして使用できるそうです。
上手くできたかどうかはそれまで分からないわけですね。
まあ、それは先の楽しみにとっておいて、さくっと完成させてしまいます。
木棚をつけて…

スタイリッシュ!
小物をつりさげるためのフックやブラケットをつけて…

ガラス棚用のブラケットを使用
シャフトを立てかけるフックも取付ければ…

これはどうしても付けたかった
完成です!

テッテレー!
ごちゃごちゃが嘘のようにすっきり。
鍼治療の道具一式を棚に置いても違和感なしですね。
きっとベッドを置いても違和感はないでしょう。
厚塗りで心配だった磁石のひっつき具合も…

問題無し!
というわけで一安心。
我ながら思った通りに仕上がりました。
トレーニングルームはまだしばらく「座って鍼をする患者専用部屋」になりますけれど、これまでよりは予約をお断りすることが少なくなるはずです。