トライアル部門参加者へのアドバイス【第7回 ノルディックウォーキングフェスティバル】

来たる4月13日(土)、津市美杉の君ケ野ダム湖畔コースにおいて、ノルディックウォーキングフェスティバルが開催されます。
午前に競技会、午後に講習会を行うこのイベント。少しずつ内容を変化させながら、今回で「第7回」となりました。

本エントリーでは、午前の競技会で「トライアル部門」に参加する皆さんに、審査員として私的なアドバイスをお伝えできればと存じます。

目次

そもそも“トライアル部門”って何だ

トライアル部門とは、普段からノルディックフィットネスに親しみ、自己研鑽を重ねたかたたちが、その成果を発揮する場であると私は考えています。

  • 7キロのコースをポールを使ったウォーキングまたはランニングでいかに早くゴールできるか。(タイムトライアル)
  • ポールの長さ調整・装着などのウォーク前準備からウォーキングフォームにいたるまでの、総合的な完成度はどうか。(シェイプコンテスト)

以上のふたつの競技の総合得点で順位を競います。
年齢や性別の違い、ハンディキャップの有無などはあるかもしれませんが、そのなかで最高のパフォーマンスを発揮していただきたく思います。より高い順位を目指すも良し、自らの限界に挑むも良し。楽しむ気持ちがあればなお良し!

タイムトライアルに関するアドバイス

いつも審査員として見ていて「惜しいなあ……」と感じている部分です。

ストライドよりもピッチ!

より速く歩きたいのならば、歩幅を大きくするよりも足の回転を速くした方が良いです。
無理に歩幅を広げようとして腰や股関節に負担をかけている人が見受けられます。
もちろん、ピッチを上げることでストライドが小さくなってしまっては本末転倒ですが、自己研鑽を積んでいらっしゃるならスムーズに歩ける歩幅が身体に刻み込まれているはずですので、そこからさらに歩幅を広げるよりも、歩幅はキープしたままで足の回転を上げる方が、全体のフォームを崩すことなくスピードを上げることができるはずです。

ウォーキングよりもランニング!

ポールを使って走れるのならば、走った方が速いのはあたりまえです。

「ウォーキングで競うのが本来の姿だろう!」

「ノルディックウォーキングは、そもそも競うものではない」

競技会に対してこういった類の批判をされる方もいらっしゃいますが、まったくの的外れです。

“本来”もへったくれも無くて、競技規定でランニングが認められている。ただそれだけの話。
あなたの信じる“本来の姿”で参加したいのであれば、そうすれば良いです。私は、より短いタイムでゴールできるランニングを推奨します。繰り返しますが、ルール上認められているからです。
そして、“そもそも”に関して申せば、ノルディックウォーキングは、クロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして発案されました。そもそもゴリゴリに競う目的のものなのです。ノルディックハーフマラソンやノルディックダッシュなどの競技も行われています。“そもそも”なんて的外れなことをおっしゃるかたは、それこそそもそものノルディックウォーキングを、リラクゼーションセラピーや体力弱者の健康増進に応用したものしか見ていない・知らないだけです。

文句言ってないで走れ!

タイムトライアルよりもシェイプコンテスト!

競技会ではタイムトライアルとシェイプコンテストの成績を点数化し、合計点で順位を競います。

タイムトライアルは順位に応じて得点が与えられます。1位の60点から順次減点となりますので、1位と2位とのタイム差が30分でも3秒でも、点差は1点となります。

一方シェイプコンテストでは4項目を審査し、審査委員長の審査持ち点が40点(4項目を採点)、8人の審査委員が各10点(担当する1項目を採点)で、120点満点。

シェイプコンテストがタイムトライアルの2倍の比重となっています。

シェイプコンテストにおける1点の差は、9人いる審査員のうち1人だけが、担当する1項目において1点の差をつけた時にしか生まれませんが(それぞれ項目を審査する審査員は3人ずつ)、裏を返せば、審査員3人が3人とも認識できるような差があれば一気に3点以上の差がついてしまうことにもなります。さらに、審査項目はそれぞれで少しずつ“見どころ”が重複しています。

つまり、一か所のぎこちなさが大きな減点に繋がることもあり得るのです。タイムトライアル後にシェイプコンテストが行われますので、人によってはタイムトライアルの疲労がシェイプコンテストに大きく影響するかもしれません。
タイムトライアルも自分との戦いという意味では非常にやりがいのある種目ですが、上位入賞を目指すなら、点数の比重が大きく、差も付きやすいシェイプコンテストに照準をあわせる作戦も検討してください。

タイムトライアルで上位でも表彰台を逃す現象に関して

以前は、もともとマラソンやトレイルランニングをしているからタイムトライアルではぶっちぎりだけれど、いざシェイプコンテストとなるとちょこっとポールを使える程度なので点数が伸びない選手が数名と、ノルディックウォーキング初心者が多かった印象です。
ちゃんとノルディックウォーキングができていさえすれば上位入賞も可能でした。

しかし最近は参加者のノルディックウォーキングのレベルが上がってきていて、ちゃんとノルディックウォーキングできる人がタイムトライアルで頑張りすぎた結果、疲労からシェイプコンテストでのウォーキングフォームに支障が出て本来の力を発揮できず、タイムトライアル下位の選手に逆転されてしまうパターンが増えているように思えます。
ノルディックウォーキングさえ上手ければ上位入賞だったのが、ノルディックウォーキングが上手いのは当たり前で、タイムトライアルでも「そこそこの順位」をキープしておいて、シェイプコンテストでさらに上手さをアピールできないと上位入賞は難しい状態になってきているわけです。

運営として、そしてノルディックウォーキングの普及を図るインストラクターとして、この傾向は非常に好ましいと感じます。出場しがいのある大会になってきましたね!


いかがでしたか?

あくまでも私見ではありますが、多少なりとも参加者の参考になれば幸いです。

3週間後に会場でお会いするのを楽しみにしています。

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