毎年恒例の節分の豆まき。
今年は2月3日が平日ですから、昨年のように大きいものを作って店に置いておく(隠しておく)こともできません。
ですから今回は、ヘルメットのように被れるコンパクトなお面を製作することにしました。
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素体づくり
先ずは私の顔にフィットする“素体”を作っていきます。
風除けのマスクの耳と鼻の部分に穴をあけて…
表面がつるっとしたPPテープで全体を覆っていきます。
顎の開閉機構をつけますので、顎の下回りまでしっかりと。
1人ではとてもできない作業です。助手1号にほとんどの作業をやってもらいながら、ああでもないこうでもないと進めていきました。
続いて、石膏ギプスをテープの上から巻いて(貼って)いきます。
使用したのはアルケア社製の「プラスランギプス」。ガーゼの基布に石膏の粉がまぶされているものです。
基布がガーゼなので、細かな凹凸にもフィットして整形しやすいそうです。
ある程度の大きさに切り分け、水を染み込ませてペタペタペタ…。
石膏の粉を水と共にまんべんなくガーゼに行き渡らせた方が綺麗な仕上がりになるのでしょうけれど、なんせ初めて使いますので、なかなか荒い仕上がりになってしまいます。
四苦八苦しながら、完成。
スケキヨというか、ジェイソンというか。これはこれで怖いですね。
乾燥を待って、ガパッと外します。PPテープを使用しているおかげで、すんなりと石膏を外すことができました。
部分的にかなり薄いところがあって、ペコペコしています。
もう少し重ねて貼り付けた方が良かったのかもしれませんね。
完全に乾くのを待つために、1日目の作業はここまで。
慣れない作業を頑張ってくれた助手1号には最大限の感謝を!
さて、作業2日目。
石膏マスクを台の上に載せ…
全体の強度を増すための張り子作業からスタートです。
コピー用紙を適当なサイズに切り分け、水で溶いた木工用ボンドで貼り付けていきます。
この作業は慣れたものです。
3枚ほど重ねて素体の完成。
一昔前のゲームのポリゴンみたいですね。
これまたしばらく乾燥待ちとなりました。
肉付け・彩色
乾いたところで、軽量紙粘土を用いて肉付けをしていきます。
ああ、その前に「角」を作らないと。
針金で枠を作って、張り子にしていきます。
乾かしながら、他のところに肉付けですね。
ある程度肉付けが済んだら顎を切り離します。当然、しっかり乾燥させてからとなります。そうでないと切った端からバラバラになりますよ。危うくなりかけました。
顎の開閉機構はゴムの力を利用しますので、それを引っ掛けるフックも針金を使って作っておきます。
切り離した下あご部分は思いのほかグニャグニャでした。放っておくとぺローンと開いてきてしまいます。
慌てて張り子を追加して補強しました。紙粘土も厚めに盛り付け。
ここは石膏を巻く(貼る)段階で、かなり分厚くしておいた方が良さそうです。
時々“噛み合わせ”を確認しつつ口周りを仕上げ、角にも肉付けができたところで、顎を合体!
ここまででかなり時間を食ってしまいました。
なんせ乾かす工程が多すぎる!
晩飯は独り、工房という名のトレーニングルームで摂る羽目になってしまいましたよ。寂しいことです。
若干不本意ではありますが、表面を均すことはせず、完全に乾燥するのも待たず、彩色に移りました。
兎に角じゃんじゃん塗っていきます。
今年は次男から、
「青鬼にして。」
と、リクエストがあったので、ベースは青です。
陰になるところは少し暗い目の青にして、角と歯は若干黄味がかった感じ。口の中は赤っぽくしました。
でも何となく物足りないので…
白で隈取りっぽいのを追加。赤いチョボチョボも追加。
多少迫力が出たかな?
顎の開閉機構のチェックも…
問題無し。
こすれ合う部分の塗装や下地がぽろぽろ剥がれてしまうのは無視しましょう。
なんとか日付が変わる前に完成させることができました。
いざ出陣
そして節分当日。
平日なので、予約の合間を縫って豆まきをしました。
青鬼をリクエストしたはずの次男が初っ端から怖気づいてしまい、母親に参加を促されても毛布にくるまって動かず。
姉や兄が楽しげに豆まきをしているのを見て安心したのか、後半になってやっと参加してきてくれました。
鬼の中身も分かっているのに(製作中も覗きに来ていた)、小さな子供って不思議ですね。4月から小学校やけど、大丈夫かな。
今回、不慣れな素材を使ったり乾燥工程が多かったりで時間がかかりすぎたことから、お面のクオリティは低いものとなってしまいました。
とはいえ、これでやり方やら注意点やらは把握できたので、次回はもっとエエ感じのものができるはずです。
なお、今回のお面は、こちらのYouTubeチャンネル「CARTAPACIO」を参考に製作しました。ぜひ参考になさってください。素晴らしいクオリティですよ♪