頑固な肩こり

長時間のパソコン作業によって悪化した肩こりが、半年程度続いている症例。肩こり自体は4・5年来のものとのことでした。

症状として訴えられたのは肩こりでしたが、腰背部にかけての筋緊張の左右差が大きく、腰を捻じったような姿勢になっており、加えて顕著な「巻き肩」で肩甲骨の可動性も低下していました。
鍼灸で筋緊張を緩め、筋機能を高めるための手技療法を行いました。また、家庭で行うエクササイズも段階的に指導しました。

種目数が多くなってしまったにもかかわらず根気強く取り組んでいただけたことが、寛解に繋がったと考えています。

骨盤(骨盤を形成する骨同士の結合)は、出産時や大怪我でもない限り緩んだり歪んだりしません。身体を捻じることによって骨盤全体に左右、前後方向の傾きが生まれ、それを歪みと呼んでいるだけです。身体を捻ってしまう要因は、普段の姿勢の癖や、痛みからの無意識の逃避などです。骨盤のゆがみを病気の根本原因と謳って骨盤矯正を行う施設は、大抵がインチキか知識不足です。お気を付けください。
また、骨盤の傾きや猫背、巻き肩など、一般に不良姿勢と呼ばれる状態が首肩の凝りの直接の原因であるという科学的な根拠もありません。“不良姿勢”と呼ぶことすら、適切でないかもしれないのです。しかし経験上、それらを矯正するような手段を講じると症状の寛解を見ることが多いので、エクササイズや手技療法、鍼灸などを用いて対処しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次